マクロによる自動化を検討するときのヒント

マクロでの自動化を検討してみたものの、人による判断が必要だからという理由であきらめていませんか?

これはExcelでも同じですが、人が作成した文章が主体となるWordではより顕著です。個人差が出る要素も多くなりますし、確認しながらでないと処理を決定しにくいといえます。

次の例題で考えてみましょう

表の下にある段落に表題の専用スタイルを設定することになった。現在は(1)標準スタイルの段落で、(2)「表: タイトルテキスト」の形式、(3)ボールドを設定というルールで作成されている。
ただし、小さな表などでタイトルがついていない場合がある。また、個人差によりルールが守られていないものもある

大量のページ数・ファイル数があるとかなり手間取りそうな作業です。なんとか自動化したくても、個人差などの不統一要因は人の判断なしに処理できそうにありません。

そこで発想を変えてみましょう。マクロ化というとどうしても作業を任せてしまう「全自動」をイメージする人が多いのですが、「補助」で利用してもよいのです。

調査・検討すること

処理対象を特定するための条件を現実的にします。

ルールがどの程度守られているか

つまり、ルールが処理条件として使えるかです。たとえば、「表: タイトルテキスト」が「表 タイトルテキスト」になっていたり、行頭にスペースが入っていたりしないかなどです。

ルール(またはその一部)を条件にしたとき対象外が含まれるか

例えば、「表の下のボールド段落」としたとき、表題以外の見出しである場合があるかなどです。

このとき、全データを調査して正確な答えを出す必要はなく、「たいていは」や「わからない」で構いません。それでも、効果を最大化するための傾向はつかめればよいのです。

マクロ化案

表の下の段落にすべて表題スタイルを設定するマクロ

段落テキストやボールド有無の個人差は関係なく、最少条件で処理してしまいます。その後、表題以外が処理されている箇所を探してスタイルを戻すといった作業を人が行います。確認時には検索機能が使えるようになるので、スクロールしながらの目視検索より確実・高速に処理できます。

全条件が適合するもののみ表題スタイルを設定するマクロ

確実なものの処理を終えてしまい、不確実なものの確認と処理を人が行います。不確実な箇所には何も処理しないのではなく、マーカーや文字色など後で検索可能な加工をしておくと、人の作業を効率化することができます。
もし処理内容が「削除」の場合には、こちらのタイプがよいですね。

どちらもマクロで最終形にはならず、人が仕上げる作業は残りますが、全体の作業効率は大きく向上できると思います。

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