マクロを人に提供する場合、相手がマクロというものをよく知らない場合もあります。そんな場合、提供したその直後に「動きません」との連絡が返ってきてしまったりします。
そうしたことを避けるためには前提の説明が必要なのですが、ただこれが、毎回書くには少々面倒な量になります。そんなわけで、ここでそのひな形をご提供しようというのが今回の主旨です。
マクロ利用時の注意点
実行中に「応答なし」になった場合
多く場合、処理は正常に進行していますので、直ちに強制終了しないでしばらくそのまま待ってください。処理対象が大量でビジー状態が継続すると、このような状態になります。
なお、マクロの処理時間や対応力は、データの内容や PC のスペックによって異なります。症状が頻発する場合は、処理対象を軽減して試してください。
想定外の使い方をする場合
マクロは特定の場面・目的のために作られています。想定外のデータや使い方をすると、エラーになったり正しくない処理結果になったりすることがあります。応用・拡張して使用したい場合は、制作者に相談してください。
初期使用時にはテストを推奨
マクロの処理は、「元に戻す(Undo)」などで実行前の状態に復元できない場合があります。提供されたマクロを初めて使う際は、バックアップを取ってからテストを行ってください。
マクロの実行方法
マクロが搭載されたファイルを開きます
リボンの下に「マクロが無効にされました」という警告が表示された場合は、[コンテンツの有効化]ボタンをクリックします
マクロを利用できる状態になります。
Alt + F8 キーを押します
ダイアログボックスに利用できるマクロの一覧が表示されます。
実行したいマクロを選択し、[実行]ボタンをクリックします
マクロの処理が開始されます。
この方法で問題なくマクロが実行できた場合は、これで完了です。マクロが実行できない場合は、以下の解説に進んでください。
マクロが実行されない場合
セキュリティ設定でマクロの実行が制限されていることが考えられます。マクロを実行できる状態にしてください。
「ファイル]→[オプション]→[トラストセンター]→[トラストセンターの設定]→[マクロの設定]と順に遷移する
[すべてのマクロを有効にする]を選択し、[OK]ボタンをクリックする
この設定の場合、条件なしにマクロを実行できます。この設定にする場合、不特定のOffice ファイルを開く前には必ずウィルスチェックを行うなどの対策を行うようにしてください。
警告を表示せずにすべてのマクロを無効にする
この設定の場合、「信頼できる場所」にファイルを置いてください。そこにあるマクロは実行できるようになります。該当の場所は、「トラストセンターの設定] の[信頼できる場所]で確認・変更できます。
警告を表示してすべてのマクロを無効にする
この設定の場合、「信頼できる場所」にファイルを置くとマクロを実行できます(警告は表示されません)。または、前述の「マクロが無効にされました」警告で[コンテンツの有効化]ボタンをクリックする方法でもマクロを実行できます。
解説の背景
職場の規定などで設定を変えられない場合があることと、相手の環境によってどれが適切かは特定できないことから、選択項目を指定することは避けています。
「デジタル署名されたマクロを除き、すべてのマクロを無効にする」は選択肢から外しています。デジタル署名は有効期限もあり却って面倒なのでほとんど使われていないとの推測からです。
残りの3者を見ると「すべて無効にする」か「推奨しません」しかないように読めるので、不慣れなユーザーは混乱します。これが解説が必要な理由の一つです。せめて「信頼できる場所以外はすべて無効」とUIに表記されていればマシなのですが。