テンプレート作成などでスタイルを設計・作成する際、[新しいスタイル]で新規作成するより、組み込みスタイルを活用するのがお得です。
こういうと、スタイル名が固定されてしまうと思うかもしれません。しかし、それは組み込みスタイルでも可能です。組み込みスタイルは名前を変更できない代わりに名前を二つ持てるのです。例えば「見出し 1」「見出し 2」「見出し 3」を「章タイトル」「節タイトル」「項タイトル」としても扱えるようにできます。
組み込みスタイルに別名をつけて流用するメリット
スタイル連携がメンテナンスフリーに
組み込みスタイルを利用すると制約が多いと感じるかもしれませんが、むしろ逆で、テンプレー トや文書をメンテナンスフリーな設計にできます。
目次やアウトラインやスタイル参照フィールドなどの機能は、スタイル名と連携します。組み込みスタイルに別名を付けても元の名前は保持されるので、それらの機能で指定しているスタイル名を変更する必要がありません。
{ STYLEREF "見出し 1" \* MERGEFORMAT }
例えば、上記のスタイル参照フィールドでは、”章タイトル”としないで “見出し1” のままで機能します。スタイル名を「章タイトル」から「大見出し」に変更してもメンテは不要です。
マクロでの Styles("
見出し 1")
のような指定についても同様です。
スタイルを保護できる
組み込みスタイルは削除できないので、ユーザーによる誤削除を避けられます。同時に、機能で参照しているスタイルが削除されることによるエラーも防げます。
組み込みスタイルを別名で使うには
組み込みスタイルに別名を付ける
[スタイルの変更]ダイアログボックスの[名前]を書き換えます。
「章タイトル」と書き換えても「見出し 1,章タイトル」と併記しても同じです。
本来の名前を隠す
スタイル一覧の右下の[オプション]をクリックする
[スタイルウィンドウオプション]ダイアログボックスで、[別の名前が存在する場合は組み込みの名前を表示しない] をチェックする
一覧に別名だけが表示されるようになります。
組み込みスタイルの流用についての注意事項
組み込みスタイルの設定は自由に変更できますが、段落プロパティの[種類]の「リンク(段落と文字)」だけは変更できません。
「リンク(段落と文字)」は、段落スタイルですが文字スタイルとしても利用できるタイプです。「リンクされたスタイルを使用不可にする」をチェックすると、段落スタイル専用で使えるようになります。
ダイアログボックスのスタイル一覧などでは、「別名(正式名)」のように両方の名前で表示される場合があります。