どれを選べばよい? 段落・スタイルの「行間」

段落の「行間」の設定を調整すると、Word文書を見やすくできます。

「1行」「1.5行」「2行」「最小値」「固定値」「倍数」… しかしどれを選べばよいのでしょう? 適当に選んでみても、違いがわからないものもあるし、部分的には良くても別のところがおかしくなってしまったりします。

まず言葉の意味ですが、この「行間」とは「行の高さ」のことです。上の例は、段落の行の高さを1行分にし、段落の前に0.5行分の空きを設ける、という指定になります。

このトピックでは、複数の文字サイズやフォント種類を用いたり、画像を配置したりする文書を想定しています。それらの要素のない文書では、行間の設定を注意深く行う必要はありません。

イチオシはずばり「1行」!

「1行」は、行の高さを1行分にするという、当たり前のような設定です。1行の行間(高さ)は、文字のサイズに応じて変動します。

しかし、「1行」にすればすべて解決というわけでもありません。「固定値」や「倍数」を推奨する人もいますが、なぜ筆者はこれを推奨するかについても、順に説明していきます。

「1行」でうまく収まらない場合はグリッド調整で

行間を「1行」にすると、場所によって行間が空きすぎてしまうことがあります。

その状態は、行間を他の設定にしても回避できるのですが、「グリッド」の調整で対策するほうが構造的には正道といえます。グリッドの調整については、以下のトピックを参照してください。

ほかの設定の意味と注意事項

倍数、1.5行、2行 は同グループ

「文字のサイズに応じて変動する」という意味で1行とも同グループで、行間を全体に1行より大きくしたい場合に使います。数値はパーセント指定と同等で、1行は100%、1.5行は150%、2行は200%に相当します。そのほかに例えば130%にしたい場合は、「倍数」を指定して[間隔]に「1.3」を指定します。

ただ倍数系は、文字サイズに応じて行の高さに加えて行間も変動するため、異なる設定を多用するとちぐはぐなレイアウトになりがちです。全体を整えるなら前述のグリッドで調整するほうが簡単です。

倍数の間隔には1以上の値を指定しましょう。0.2などの値を指定することは可能ですが、その場合は文字が欠けてしまいます。

固定値 は妥協しないレイアウト設計向き

「固定値」は、換言すれば「連動・変動しない」ということです。文字の大小を変えても一律の行間が保たれます。では、画像などが行間サイズを超えるとどうなるでしょう。

行内(インライン)に配置した画像や拡大した文字が「固定値」からはみ出すと、その部分はトリミングされてしまうのです。つまり、このような編集はしないという暗黙の前提条件があるともいえます。

こうしたことから、「固定値」は、行を妥協なく整然と並べるようなレイアウト設計には適しているといえます。その代わりに、編集規則を固める必要もあるので、気軽には使いにくいものになります。

最小値 はハイブリッド

「最小値」は、「固定値」と「1行」のハイブリッドのようなものです。文字サイズが指定値に収まる場合は「固定値」と同じ、超える場合は「1行」と同じになります。次のような使い方ができます。

「1行」的な使い方 … 文字サイズを小さくしても、行間を一定以下にしない(詰めすぎない)

「固定値」的な使い方 … 文字には指定値を適用。指定値を超える画像などを含む場合はそれが収まるサイズに拡大

 


行間については、各段落やスタイルで設定するほかにこんな機能もあります。

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