画像や図形の配置 : 行内/その他を使い分けよう

画像や図形の挿入時に、「文字列の折り返し」の設定を意識しているでしょうか。行内、四角、外周、内部、上下、背面、前面と各種あります。

画像や図形の挿入は、ExcelやPowerPointと共通の機能ですが、この「文字列の折り返し」はWord固有です。

一番のポイントは、「行内」と「それ以外」は別種ということです。

兄弟のように並んでいますが、別のオブジェクトなのです。扱い方やできること/できないことが大きく異なるので、きちんと使い分ける必要があります。

四角、外周、内部、上下、背面、前面の特長と使いどころ

「行内」以外では、画像・図形を自由な位置に配置できます。テキストの前に重ねる、テキストの背景にする、テキストを回り込ませる、画像・図形どうしを重ねるといったレイアウトが可能です。

雑誌紙面や広告のようなデザイン性重視の紙面作成に適しています。特に、画像のサイズや配置が優先でテキストはその補足というような文書には最適です。

画像・図形は、アンカーで段落やテキストと結ばれています。アンカーは画像・図形の最寄りの段落でなく、離れた段落に置くこともできます。

いかりの表示が「アンカー」。画像・図形を選択すると表示される

逆引きトラブル 段落を削除すると画像・図形も削除される

アンカーのある段落を削除すると、そのアンカー元の画像・図形も削除されます。アンカーが離れていたり非表示だったりすると、段落の削除時には気づけずにいつの間にか消えたと思えるかもしれません。

配置に関する詳細は、レイアウトダイアログボックスで設定します。段落やテキストだけでなくページや余白を基準にした配置ができます。

実際の編集では、ドラッグ操作で配置を決めた後でダイアログボックスで調整するとよいです。画像・図形をドラッグで移動すると数値だけでなく基準も変わったりするので、先に細かく設定しても無駄になってしまうからです。

逆引きトラブル  テキストを編集すると画像が余白やページ外にはみ出す

このタイプの画像・図形の仕様で、「自由な配置」の表裏といえます。基準は一つなので、例えば段落を基準にすると段落の増減に連動して移動しますが、余白やページをはみ出す結果になったりします。ページを基準にするとはみ出すことはありませんが、テキスト編集に連動はしなくなります。

連動はさせないで手動で調整するようにするか、「行内」配置にするかが妥当な策でしょう。

画像・図形を使用するときのポイント

アンカーを画面に表示し、画像・図形との紐づけを確認できるようにする

表示/非表示の設定は、Wordのオプションの[表示]-[常に画面に表示する編集記号]にあります。
なお、”常に”とありますが、アンカー記号は画像・図形を選択したときだけ表示されます。

ドラッグ操作で移動するとアンカーも別の段落に移動したりするので、位置を確認するようにしてください。

複数組み合わせている画像・図形はグループ化しておく

画像・図形をグループ化すると、アンカーは一か所にまとめられるので管理しやすくなります。

仕上げに画像・図形の位置確認を行う

テキスト編集との連動は十分ではないため、ページ・余白へのはみ出しやテキストとの位置関係を仕上げ時にチェックするようにしましょう。

行内の特長と使いどころ

「行内」の画像・図形は、一つの文字と同様に編集領域を占有します。具体的には以下の特長になります。

前後左右のテキストや段落が追加・削除されると連動して移動します。編集に伴って余白にはみ出すことなく、行送りやページ送りされます。

テキストや他の図形に重ねて配置はできません。

他の画像・図形とのグループ化はできません。

報告書や社内文書のような情報を整然と配置する紙面作成に適しています。段落・テキストの編集によってレイアウトの再調整が必要になることは基本的にないので、変動の多い文書にも適しています。

なお、「行内」を使用する場合、画像・図形を配置する段落は、行の高さを「固定値」以外を指定しましょう。詳しくは以下のトピックを参照してください。

逆引きトラブル 画像・図形がグループ化できない

選択している画像・図形に「行内」が設定されたものが含まれている場合、グループ化はできません。「行内」以外に変更するとグループ化できるようになります。

テキストに含めた画像・図形が上にずれる場合には

「行内」の画像・図形を段落の一部に含めたとき、テキストより上にずれてしまうことがあります。このような場合は、段落の設定で[体裁]の[文字の配置]を「中央揃え」にしてみてください。

ただし、この方法は解決策ではなく改善策なので、うまく揃わないこともあります。少しずれるが編集が楽な「行内」を選ぶか、ずれなく配置できるが手動調整が必要な「前面」などを選ぶかの選択になるところです。

重ねて配置した画像・図形を「行内」で配置するには

「行内」で配置した画像・図形は重ねることができませんが、先に画像・図形を重ねてから「行内」に配置することは可能です。

一連の画像・図形をすべて「行内」以外(「上下」など)で配置する

画像・図形をグループ化する

グループを選択し、レイアウトオプションで「行内」を選ぶ

縦長の画像・図形を無駄なく配置するには

「行内」の画像は1文字と同じなので、その横に続けて配置できるテキストも1行だけです。このため、縦長の画像を配置すると、横に大きな余白が空いてしまいます。

そのような無駄な余白を避けたい場合は、罫線を描画しない表を利用することをお勧めします。ひと手間かかってしまいますが、画像の横にテキストを回り込ませるようなレイアウトが可能になります。

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