Wordで表計算 : 特定箇所での利用がおすすめ

Word にも表計算機能があり、数式や関数を使えます。機能や使い勝手はExcelには及ばないのですが、それでもぜひ使うべき場面はあります。

Word表計算の特徴と使いどころ

Wordの表計算は、Excelと比較すると以下のような特徴になります。

関数の形式や意味は Excel とほとんど同じ
合計などの数式ではWord独自の引数があり簡単・手間いらずで取り扱える

関数の種類は Excel よりずっと少ないが、相応の種類は網羅されている

数式の参照先セルを色枠で確認できたり、行・列の追加で数式が自動補正されたりといった補助機能やエラー判定機能がない

数式は各セルにフィールドとして挿入される

少ないとはいえ関数を使い倒せばExcelの代用も相当なレベルまで可能なのですが、それをお勧めしたいわけではありません。使い勝手の面からも、多くのセルで関数や数式を駆使するならやはりExcelを使うのが得策です。

Wordの表計算は、そのExcelデータを流用した後の書類を正しく仕上げる手段として価値があります。例えば、報告書や稟議書などの合計欄です。詳細な計算や数値はExcelで作成し、Wordにはその抜粋を貼り付けるといったケースがよくあります。その場合の合計欄はExcelとは別計算になり、Wordの表計算の使いどころになります。また、そのような使い方には、簡単・手間のない操作で対応できるようになっています。

報告書や稟議書上の項目は多量ではないので手動で合計・入力したくなりますが、そこにWordの数式を使います。その数値は「書類中の最重要情報」でもあるので、データを最終の手動作業で台無しにしないためです。

列や行の合計欄に活用

合計を求める数式は、ダイアログボックスでの指定もほとんど不要なので手間なく実行できます。また、独自引数によって内容変動への自動対応できるようになっています。

以下の表の①~⑧に合計値を入力する場合を例に手順を説明します。

Excelから貼り付けるなどして必要な数値が入力された表を作成する

セル①にカーソルを置き、[レイアウト]タブの[計算式]をクリックする
[計算式]ダイアログボックスが表示されます。このとき、[計算式]に=SUM(LEFT)が初期指定されます。左方向の数値を合計するという数式です。

[表示形式]を選択し、[OK]をクリックする

セル①にSUM関数を使った数式のフィールドが挿入されます。

セル①の内容をコピーして、セル②とセル③に貼り付ける
同じ数式(左方向を合計)のフィールドが挿入されます。
セル①と同じ数値になりますが、この時点ではそれで問題ありません。

セル④にカーソルを置き、手順2、3と同様に操作する
この場合の[計算式]の初期設定は、=SUM(ABOVE)になります。

セル④の内容をコピーして、セル⑤、セル⑥、セル⑦、セル⑧に貼り付ける

表全体とを選択して F9 キーを押す
フィールドが更新され、①~⑧の数値に反映されます。

方向引数(ABOVEBELOWLEFTRIGHT

方向引数は Word 独自のもので、合計セルが下端の場合は ABOVE、上端の場合は BELOW、右端の場合は LEFT、左端の場合は RIGHT を指定します。セル番地を指定しないので、上記のようにコピーによる使いまわしがです。=SUM(ABOVE,BELOW)のように双方の指定もできます。

平均値を求める AVERAGE() でも同様に方向引数を使用できます。
例) 行の平均値を求めて小数点以下を四捨五入する数式 : =ROUND(AVERAGE(LEFT),0)

元の表の入力値の注意

桁区切りのカンマ
カンマ付きの「1,000」は「1000」として正しく計算されます。ただし、位置を誤って「10,00」とするとエラーにはならず「10.00」と扱われるので注意してください。

通貨や単位記号
単位付きの数値は使用できません。使用した場合はエラーにならず、それ以前の範囲が計算対象から除外されるので注意してください。

入力値も数式フィールドにすれば、カンマの位置を誤らず、単位記号を付けることもできます。
例えば、[計算式]を「=1000」、[表示形式]を「#,##0 個」と指定すると、「1,000個」と表示して「1000」で計算できます。ただし、数値の変更がしにくくなるので一長一短の策といえます。
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