Word でスタイルを新規作成する際にまず指定する項目について説明します。ここで要注意なのは、[種類]と[基準にするスタイル]です。
[名前]と[次の段落のスタイル]は使い始めてから変更してもよいですが、[種類]と[基準にするスタイル]はスタイル作成時に適切に設定しておく必要があります。
種類 : 段落、文字、リンク(段落と文字)
テキスト関係のスタイルには、段落、文字、リンク(段落と文字)の3種類があります。
この設定は、スタイル作成後に変更できません。(「段落」から「リンク(段落と文字)」への変更のみ可能です)
各種類の用途と適用範囲
文字スタイル
選択文字列に「文字書式だけ」を適用するスタイルです。
段落スタイル
段落全体に「文字書式と段落書式」を適用するスタイルです。「段落書式だけ」ではありません。段落の一部を選択した状態でも、段落全体にスタイルが適用されます。
リンク(段落と文字)スタイル
段落全体に「段落書式と文字書式」を適用するだけでなく、選択文字列に「文字書式だけ」を適用することもできるスタイルです。つまり、段落スタイルとしても文字スタイルとしても利用できるのです。
リンク(段落と文字)スタイル の詳細
リンク(段落と文字)スタイルは、文字スタイルや段落スタイルに比べて特殊なのでもう少し掘り下げます。
[リンクされたスタイルを使用不可にする]との関係
スタイルウィンドウにあるこの項目は、リンク(段落と文字)スタイルの用法を制御するものです。「使用不可」というのが紛らわしいですが、スタイルが使えなくなるわけではありません。
オンの場合、段落スタイルと同じ動作になります。つまり、段落全体にスタイルが適用されるようになり、選択文字列に文字書式だけを適用することはできなくなります。
なお、途中でこの項目をオンにしても、すでに文字書式として設定されたスタイルは維持されます。
リンク(段落と文字)スタイルが活かせる場面とは?
文字スタイルと段落スタイルの二面を持つのは一石二鳥で便利なようですが、段落に適用したつもりが文字書式しか適用できていなかったというトラブル要因になります。「箇条書きスタイルを適用したのに箇条書きにならない」のような場合の多くはこの仕組みが絡んでいます。
[リンクされたスタイルを使用不可にする]を使えば回避はできますが、常にオンにするのなら段落スタイルを使うべきですし、オンオフを切り替えながらの作業は煩雑になってしまいます。
段落スタイルと同じ書式の文字スタイルを別に作成する必要がなくなり、スタイル数を低減できるのはメリットです。しかし、そのような文字スタイルを多数必要とする文書(メリットが活きる文書)というものがあまりないように思えます。
基準にするスタイル
「基準にするスタイル」とは、継承・連動する設定値が多いスタイルです。作成するスタイルには、基準にするスタイルとの差分情報が登録され、共通の設定は継承・連動されます。
例えば、青字の「スタイル 1」を基準にして作成した「スタイル 2」は青字になります。ここで「スタイル 1」を 赤に変更すると、「スタイル 2」も連動して赤に変わります。
このため、「基準にするスタイル」には、用途や外観が似たスタイルを指定するのが通例ですが、設定を連動させたくない場合は「標準」スタイルを指定しましょう。