Wordオプションの各項目をきっちり解説していきます。
詳細設定は数が多いので2回に分けて解説します。また、項目が関連性なく並んでいるため、画面上の並びどおりではなく筆者目線でカテゴリ分けてして記載します。
文字入力関連の詳細オプション
a. 選択した文字を置換入力する
文字列を選択した状態で文字入力したときの動作を指定します。
: 選択中の文字が削除され、そこに入力文字が挿入されます
: 選択中の文字は残って、その前に入力文字が挿入されます
b. 上書き入力モードの切り替えに Ins キーを使用する
上書き入力モードとは、後に続く文字を消しながら新しい文字を入力していくモードです。
: Insert キーを押すと上書き入力モードと挿入モードが切り替わります
: Insert キーを押してもモードは切り替わりません
文字入力とともに文字が消されてしまう
Insert キーを意図せずに押してしまい、この設定が発動したことが原因です。そもそも上書き入力モードというものを知らないユーザーは面食らいます。モード切り替えが不要なら、[上書き入力モードで入力する]とともにオフにしておきましょう。
c. 登録名の先頭の数文字の入力で候補を表示する
入力候補の表示について指定します。入力候補は、日付や登録された定型句を途中まで入力したときに、その続きとなるテキストの候補として表示されます。例えば、「2021年」まで入力・確定すると、2021年×月×日 と当日の日付を入力するかを問うチップが表示されます。「2021/」と入力した場合には「2021/X/X」の形式で入力できます。
: 入力候補を表示します。Enterを押すとそれを入力できます
: 入力候補は表示されません
d. 日本語入力のオン/オフを自動的に切り替える
Wordの起動時の日本語入力システムの状態を指定します。日本語以外を主に扱うユーザーはこの設定はオフにしておきましょう。
: Wordの起動時に日本語入力システムをオンにします
: Wordの起動時に日本語入力システムのオン/オフは変更されません
数値の入力欄で自動的に日本語入力をオフにする機能がExcelにありますが、この設定はそれとは別物です。
日本語入力システムで入力文字種を設定しているのに、Wordでは有効にならない
日本語入力システムでの設定より、この設定が優先されることが原因です。この設定をオフにすると改善できます。
e. 変換中の文字列を文書に挿入モードで入力する
この設定は通常は変更不要です。オフにしても上書きモードになるわけではありません。
未確定の文字列が表示されない / 入力の途中で確定されてしまう
日本語入力システムとの兼ね合いでこうしたトラブルが起こることがあり、この設定を切り替えると解消できる場合があるようです。
カーソル・選択関連の詳細オプション
f. 文字列の選択時に単語単位で選択する
文字列の選択時に、選択範囲を自動的に拡張するかを指定します。例えば、以下の青色範囲をドラッグしたとき、赤色範囲まで拡張されます。
one word one word
: 文字の選択範囲を単語単位で自動拡張します
: 文字の選択範囲を自動拡張しません
ゆっくりドラッグすると発動しなかったり、意図と異なる範囲が選択されてしまったりとかえって不便になる場合が多いため、推奨はオフです。
g. 段落の選択範囲を自動的に調整する
段落の全テキストを選択したときに段落全体を選択するかを指定します。
: 段落の全テキストを選択したときに、段落記号まで選択範囲を拡張します
: 選択範囲を拡張しません(段落全体を選択するときは段落記号を含めて選択する必要があります)
意図的な部分選択ができなくなってしまうため、推奨はオフです。また、段落記号が選択に含まれているかどうかを確認できるよう、段落記号は常に表示しておくことをお勧めします。
選択範囲が勝手に広がってしまう / 正しく部分選択できない
[文字列の選択時に単語単位で選択する][段落の選択範囲を自動的に調整する]が原因です。選択漏れを防止できる機能ですが、副作用となる場面も多いので要注意です。
h. スマートカーソルを使用する
スマートカーソルは、文書をスクロールした際に表示に合わせてカーソルが移動してくるというものです。
: スマートカーソルを使用します
: スマートカーソルを使用しません(スクロールしてもカーソルは元の位置に留まります)