複雑なWordオプションの各項目をきっちり解説していきます。今回は詳細設定の第3弾です。
切り取り、コピー、貼り付け
同じ文書内の貼り付け / 文書間での貼り付け / 文書間での貼り付け(スタイル定義が異なる場合) / 他のプログラムからの貼り付け
同じ文書内または別の文書やアプリ間でコンテンツを貼り付けて書式設定する方法を選びます。
元の書式を保持
コピー元の書式が保持されます。ただし、スタイルは引き継がれません。例えば、コピー元が青字の場合、貼り付け先のスタイルが適用された上で青字書式が設定されます。
書式を結合
コピー元と貼り付け先両方に設定された書式は、貼り付け先のものが優先されます。コピー元にあり貼り付け先にない書式はコピー元の設定が引き継がれます。例えば、コピー元は青字・下線付き、貼り付け先は緑字・下線なしの場合、緑字・下線付きになります。
テキストのみ保持
書式情報を除いた文字列を貼り付けます。コピー元のスタイルや書式はクリアされて貼り付け先のものが適用されます。
貼り付け先のスタイルを使用
貼り付け先の同名スタイルが適用されます。コピー元が「小見出し]段落の場合、貼り付け先にも「小見出し」スタイルがあればそれが適用されます。ない場合は「元の書式を保持」と同じになります。
逆引きトラブル 文書間の貼り付けで「貼り付け先のスタイルを使用」の設定が機能しない場合がある
実際に試したところ、コピー元文書を開いたまま貼り付けると、「書式を結合」と同じになってしまうようです。コピー元文書を閉じてから貼り付けると、「貼り付け先のスタイルを使用」どおりの結果でした。コピーを繰り返すような編集の際には、実用的ではないですね。
図を挿入/貼り付ける形式
画像などを挿入・貼り付けしたときに適用する「文字列の折り返し」の初期値を指定します。なお、図形(オートシェイプ)にはこの設定は適用されません。
折り返しについては、次のトピックを参照してください。
[テキストのみ保持]オプションで文字列を貼り付けるときに箇条書きと段落番号を保持する
箇条書きの段落を「テキストのみ保持」で貼り付けた場合に、行頭文字や段落番号を含めるかを指定します。この場合の行頭文字や段落番号はテキスト化されたものになります。
貼り付けに Insキーを使用する
Insert キーに貼り付けの動作を割り当てるかを指定します。なお、これをオンにすると[上書き入力モードの切り替えに Ins キーを使用する] はオフになります。
コンテンツを貼り付けるときに[貼り付けオプション]ボタンを表示する
[貼り付けオプション]ボタンを使うと、貼り付けの結果を見てから貼り付けオプションを変更できます。正確には「貼り付けるとき」ではなく「貼り付けた直後」ですね。
貼り付け時に自動調整する
自動調整の内容は[設定]ボタンから確認・変更できます。
各設定内容は以下のとおりです。なお、実行結果の違いが確認できなかった項目については説明を割愛しています。
文と単語の間隔を自動的に調整する
貼り付け時に余分なスペースを削除する
貼り付けテキストの前後の半角スペースが削除されます。貼り付け先によっては削除されない場合もあります。
貼り付ける時に段落の間隔を調整する
貼り付ける時に表の書式と配置を自動調整する
スタイルを自動調整する
コピー元のスタイルと貼り付け先の同名スタイルとの書式が結合された状態になります。貼り付け先のスタイルの書式設定は変わりません。
Microsoft PowerPoint から貼り付ける時に書式を取り込む
Microsoft Excel から貼り付ける時に書式を調整する
Wordに合わせてExcelでの表サイズや書式を無効にします。
貼り付けたリストとその前後のリストをつなげる
リスト(箇条書き・番号付き)をほかのリストの直後に貼り付けたとき、貼り付け先のリストに合わせて行頭文字などが統一されます。例えば、番号付きを箇条書きの直後に貼り付けると、番号ではなく記号になります。なお、リスト関連でない書式(文字サイズなど)は統一されません。
逆引きトラブル スペースを含めてコピーしたのに貼り付けると削除される
[貼り付け時に余分なスペースを削除する]の設定が原因です。余分かどうかの判断がWord任せになることと、それを逐一チェックするほうが煩わしいことから、この設定はオフにしておくことをお勧めします。
リンクの処理
Officeファイルへのサポート対象ハイパーリンクをOfficeデスクトップアプリで開く
ブラウザー上のOneDriveやTeamsなどからOfficeファイルを開くときに、Online版ではなくPCにインストールしているWordやExcelで開くようにします。
この設定は、Office全体で共通です。WordでオンにするとExcelなどもオンになります。
ペン
規定でペンを使用してコンテンツを操作する
タッチ対応デバイスとデジタルペンを使用している場合に、ペンをスタイラスとして使うかの設定です。
オフの場合、編集領域ですぐにペンでの描画の開始になります。
オン(スタイラス)の場合、[描画]タブの[描画]モードでのみインクを使えます。