Wordの編集画面上で表示・指定するサイズの単位は、オプションの詳細設定で選択できます。
インチ(in)、センチメートル(cm)、ミリメートル(mm)、ポイント(pt)、パイカ(pi) のほか、字・行 や ピクセル(px)もあります。
特に、フォーマット設計時には重要な要素です。扱いにくい文書になってしまうような落とし穴もあるので、適切に設定しましょう。
単位選択の仕様
ここで選択する単位とWordの編集画面との関係を整理してみます。
選択した単位に応じて、ダイアログボックスなどの入力欄が「10 pt」や「1 字」のように切り替わる
選択した単位以外での指定もできる。例えば「1 字」となっている箇所を「8 mm」と指定してもよい
選択した単位に切り替わらない入力欄もある。特に文字サイズの単位はポイントで固定
例えば、文字サイズが12ptの段落で5文字分のインデントを設定したいとします。mm単位に換算するのは面倒なので、「60 pt」と単位付きで入力することになります。また、ダイアログボックスを再度開くと入力値の「60pt」と異なる換算値の「21.2 mm」と表示されるため、指定の意味がわかりにくくなります。文字を基準にした値は、ほとんどすべて小数点付きになるので、管理もしにくくなります。
[単位に文字幅を使用する] の仕様
[単位に文字幅を使用する] を有効にすると、入力欄が「X 字」や「X 行」という指定ができます。これだと上記例の「5文字分」も簡単に指定できて便利と思ってしまいますが、そうもいかないのです。
字数単位の1字はその段落の1字ではなく「標準」スタイルの1字だからです。
例えば、文字サイズが12ptの段落で5文字分のインデントを設定したいとき、標準スタイルの文字サイズが 10.5 ptの場合は何文字を指定すればよいでしょう? かえってややこしくなってしまいます。
文字幅単位を使う場合、さらに注意点があります。標準スタイルの文字サイズを変更すると連動して変わることです。例えば、標準スタイルの文字が10ptのとき、二つの段落のインデントをそれぞれ「10 pt」「1 字」にすると結果は同じです。その後、標準スタイルの文字サイズを15ptに変更すると、10 ptの方は変化せず、1 字の方は15pt相当に広がるので、レイアウトが崩れます。
文字サイズがポイント指定限定なので、標準スタイルの文字サイズを変更したときに見出しなどの文字サイズを連動させることはできません。そのうえでインデントなど一部の指定を変動させても収集がつかなくなりそうです。
一方で、ポイントという単位になじみがないユーザーにとって、文字幅指定は最もわかりやすい単位なのも事実です。もし作成する文書の文字サイズにバリエーションがなく一定のものなら上記の問題を回避できるので、利用してもよいでしょう。
表示単位/指定単位のまとめ
以上を踏まえて、表示・指定単位の設定の一般的なお勧めは
[使用する単位]は「ポイント(pt)」
[単位に文字幅を使用する]と[HTML関連は単位にピクセルを使用する]はオフ
ただし、まとめて画像サイズを調整するときはピクセル、余白などレイアウトを調整するときはミリメートルなど、必要に応じて一時的に切り替えるのは問題ありません。